- minneで学ぶ
- 2016.01.28 Thursday
人気作家さんに聞く!はじめてのイベント出展講座
こんにちは、minneスタッフ・アヤコです。
IID世田谷ものづくり学校の3階にある、教室をそのまま保存した空間に50名近い作家さまにお集まりいただき、
minneのハンドメイドマーケット関連企画として開催した「はじめてのイベント出展講座」。
登壇いただいたのは、イベント出展経験も豊富なLINDA TOKYOさん No-ticcaさん Bloom*brunaさん。
Bloom*brunaさんの昨年のイベント出展回数は、なんと23回!日数にして189日間はどこかしらで販売されていたそう。
イベント準備から当日の動きまで、先輩作家さんからの実践的なアドバイスが繰り出された充実の内容を、ほぼ全録でお届けします!
−それでは最初のトークテーマ「ディスプレイについて」です。今日は実際にディスプレイを組んでいただきました。それぞれ簡単にご紹介いただけますか?
No-ticcaさん
今日は1列だけ持ってきているんですが、実際はこれを3列分組んでいます。(※イメージ下は、デザフェスの展示風景)
No-ticcaさん
以前出展したイベントで、棚の高さが足りなくて見えづらかったり、後ろの商品が手に取りづらいという反省点があったので、それをふまえて今のディスプレイになりました。後ろからでも背伸びをすれば見えるので、かなり集客につながっていると感じています。
LINDA TOKYOさん
わたしは作品以外のアイキャッチを用意しました。ポスターはminneのアトリエで撮影したものなんですが、ブランドをビジュアルで打ち出すのも一つの方法かな、と思います。布に印刷しているので持ち運びやすく便利です。
テーブルには、シンメトリーになるよう両端に同じ高さのディスプレイ什器を置いたり、同じものをたくさん並べるリピートという方法でバッグを並べたり、目に留まる印象的なブースになるよう工夫しています。アクセサリーとか、小さくて平たいものを売っている方が多いと思いますが、高さを出して配置にリズムをつけるのがディスプレイのコツかなと思います。
−ポスターの、女の子の髪をなびかせているのはアトリエスタッフなんです。アトリエでは、そんなお手伝いもしています(笑)
Bloom brunaさん
わたしの場合は高さがないと並べきれないので、什器で高さを出すようにしています。吊るして飾るタイプのものは吊るした状態がわかるディスプレイにして、家で飾っている様子がイメージできるようにしています。最近は壁庭園という“壁にたくさん植物を並べたら綺麗ですよ”というのを打ち出しているので、それが伝わるようなディスプレイを心がけています。
壁庭園につかっている什器はなにかというと、ニトリのスリッパラックなんです。天板の雰囲気だけ作品に合わなかったので、はずして別のものをくっつけて使っています。イベントの際はバラして、120サイズ送料1,400円くらいで送っています。
−身近なものを使ったアイディアですね。今お聞きしたポイント以外にも、工夫されてることってありますか?
LINDA TOKYOさん
配送を考えた什器で言うと、(アクセサリー什器を手にとって)実はこれは土台とトレイ部分をマグネットでくっつけているだけなんですね。ガラスみたいにみえるけど、プラスチックなんです。こうすると、バラして重ねることもできて便利。
(会場拍手)
−そんな風にできていたんですね!ほかに、“いろいろな作品があって自分のブランドをどう見せたら良いのかわからない”という質問もきています。統一感を出す工夫はしていますか?
Bloom brunaさん
はじめの頃は、作りたいものを作っていいんじゃないかなと思います。わたしもイベントでお客さんとのやり取りを通して徐々に絞られてきたという感覚があります。フレームの作品が主力になったのも、イベントに出だしてから1年後くらいですね。自然と淘汰されていくと思います。最終的には他の人が作っていないようなものが残っていきますね。
LINDA TOKYOさん
パッケージデザインも重要かなと思います。ロゴや台紙のデザイン、キーカラーを作って統一すると、まとまりが出ます。
−できることからやる、続けることが大事ですよね。それではそろそろ次のトークテーマ「作品について」にうつりたいと思います。みなさんは、どれくらいの作品数を持っていかれてますか?作風によっても違うと思いますが。
No-ticcaさん
この什器で60点くらい展開できるので、90〜100点くらいは持っていくようにしています。
−売り切ってしまう気持ちで行きますか?
No-ticcaさん
売り切れるのはとてもありがたいんですが、在庫がなくならないように、予想プラス10〜20点は持っていくようにしています。
LINDA TOKYOさん
まず売れて欲しい目標を決めて、その予想の1.5〜2倍の量を持って行きます。
Bloom brunaさん
わたしの場合はスカスカになってしまうと売り場に見えなくなってしまうので、ボリューム感が崩れないように30〜50点は持っていくようにしています。最近ようやく売上の目標を金額で出すようになりました。
−最後の方に来た方がつまらない想いをしないように、そこまで気を配って、自分のお店が一日持つようにという心がけも大切ですよね。続いて、イベント向けの価格は設定していますか?
Bloom brunaさん
端数以外は変えてないです。百貨店は利率が高いのできついですけど、どこで知って頂いても価格が変わらないようにはしています。
−「お釣り」についてもいくつか質問を頂いていたんですが、端数をカットすることでお釣りの用意も楽になりますよね。
LINDA TOKYOさん
千円台の作品を多く作っている方は、千円札は自然と集まってくるので、五千円札と千円札のセットを3万円分くらい用意しておけば、乗りきれるんじゃないかな。
Bloom brunaさん
給料日というのがキーで、給料日明けは1万円札を出される方が多いので、イベントの日付には注意しています。
−実体験として参考になりそうな意見がたくさんですね。続いて、売れ筋の読みは当たりますか?という質問です。
No-ticcaさん
最初はまったく予想が立てられなかったですね。作品が全然足りなくなっちゃったこともありますし、逆にディスプレイが悪くて売れなかったこともあります。基本的に魅せ方はすごく大事だなって思います。そこで売上が変わってきますね。
売れなかった時はへこむけど、なんで売れなかったのか、自分でディスプレイの前に立ってみて、ここが見えづらかったなとか、反省から得られるものをちゃんと得るとだんだん良くなっていくと思います。
−他の作家さんのブースを見た時に、どこに目が行くのか、研究してみるといいですね。続いての質問ですが、オンラインで売れるもの、イベントで売れるものには違いがありますか?
Bloom brunaさん
わたしは全然違いますね。オンラインではこだわりのお客様からのオーダーが多いです。持ち歩きの大変な大きい作品は午前より午後に動きますし。
−そういうことも、何回か出てみないとわからないですよね。
LINDA TOKYOさん
オンラインでもそうなんですが、秋口に売れるもの、夏に売れるもの、シーズンの影響を受けるので、作品にバリエーションをもたせるといいかもしれないです。
No-ticcaさん
わたしはあまり変わらないです。イベントにはインターネットで買えなかった、という目的買いで訪れてくれる方も多いので、同じような柄が人気ですね。
−これだけの商品数を準備するとなると大変だと思いますが、どういうスケジュールで準備されてるんでしょう?
Bloom brunaさん
わたしは必ずイベント限定商品を用意するようにしているので、春だったらオレンジ色のガーベラが入っているものなど、企画をまず考えます。そしてデザインをおこして資材を仕入れて…というように進めています。
LINDA TOKYOさん
スケジュール通りにはいかないですね(笑)前々日までに準備終えて、イベントのための買い出しに行きたいと思っていても、当日朝まで作っていることがほとんどです。イベントがあってもオンライン販売を止めたくないと思っているので、多少眠くても制作に時間を割いてしまいます。
−体を壊すと作れなくなるので、みなさんそれぞれのペースでがんばってくださいね(笑)
No-ticcaさん
1週間で制作できる点数プラス、5〜 6点をイベント用のノルマにしていて、少しずつ作りためています。1週間前からは、検品などまるまるイベントに充てています。
−人気の作家さんほどイベントの準備は大変になりますね。続いて「値札はつけたほうがいいのか?」という質問です。
Bloom brunaさん
タグの形で取扱説明書とともにつけています。自分が購入者だったら、欲しいものの値段がわからないのはちょっと不親切かなと思うので。
LINDA TOKYOさん
ラッピングした状態で販売しているので、裏側にカラーシールを貼っています。赤は1,000円、黄色は2,000円という風に、プライス表を見てもらう形です。雑務が減るので、細かいものを売っている人にはおすすめかもしれない。
No-ticcaさん
まずは作品を手にとって欲しいので、プライスはお財布の中に入れています。そうすると、会話のきっかけにもなりますし、気になった方は中まで見てくれます。手に取る前に値段がみえてしまうと、予算が超えている人は手にとってもらえないので。
−値札一つにしても、会話のきっかけとして考えていらっしゃるのは素晴らしいですね。次のテーマ「販売について」ということで、お一人で参加される場合など、貴重品の管理はどうしてますか?
Bloom brunaさん
金庫を持ってそっと席を外します(笑)
−メモを置いてブースを離れる作家さんもいらっしゃいますよね。
LINDA TOKYOさん
隣にいる作家さんと挨拶したり、積極的に交流して信頼関係をつくるのもイベントでは大事なのかな、と思います。ちょっと見ておいてもらっていい?って言える関係。
−そうですね。おもちゃ箱マーケット(minne主催イベント)では、作家さん同士の交流が活発にありました。もう一点、イベント会場でもラッピングに対応されていますか?
Bloom brunaさん
お花はギフトでお求めの方も多いので、常に透明のOPP袋やリボン、メッセージカードなどを持って行くようにしています。
No-ticcaさん
ラッピング向けの包装紙は用意してますね。
−思ったより対応されていらっしゃるんですね。続いて、ブースに来てくださった方にどうやって話しかけたらよいか?という質問です。
Bloom brunaさん
イベントの目玉商品を用意しているので、それを売りトークにしています。
−LINDAさんのブースでは、小学生のお子さんが離れないといった光景をよく見かけますね(笑)
LINDA TOKYOさん
(笑)そうですね、来たくて来てくれた人は、すぐわかるので、話しかけることもあります。ただ、ゆっくり見たそうな人は、遠くで様子をみてる事が多いかな。
−No-ticcaさんはどうですか?
No-ticcaさん
“小銭入れのところにチャックがついていないけど、ふりまわしても小銭は落ちない”という作品の特徴・売りの部分をしっかり一度は伝えるようにしています。
−ありがとうございます。ずいぶんと、販売のイメージがつかめるお話だったかな、と思います。イベントに出展される際、ご自身でも告知をされると思うのですが、みなさんはSNSを活用されてますか?
Bloom brunaさん
instagramとfacebookを使っていて、開催日が近づいたら限定商品などのネタを出していきます。ハガキのDMを送ることもありますね。
−だいたい何通くらい送っていますか?
Bloom brunaさん
80通くらいですね。集客をしないとなかなかブースに来てもらえないものだと思いますし、そういう努力も作家として必要だと思います。
−1割位来て頂けたら良い方かと思いますが、そういう積み重ねが大事なんですね。LINDAさんはどうですか?
LINDA TOKYOさん
twitterですかね。twitterをやってない方はいますか?
LINDA TOKYOさん
SNS、苦手なんですが、去年twitterをはじめました。イベントに出ると、反響がすごいありますよ。開場を待っている間、みんなtwitterをチェックしたりしているんですね。そういう時に、できたばかりのブースの写真を投稿したりすると、楽しんでくれます。
−そもそもminneはインターネットのサービスなので、SNSとの親和性が大変高いんですね。作家用のアカウントとして、作品を投稿するだけでもはじめたらいいんじゃないかと思います。それではそろそろ質問コーナーにうつりたいと思います。質問がある方は挙手をお願いします。
質問者さん
ブースをもっと作りこんだほうがいいのかな、と思ってしまいます。背面に壁をレンタルしたりしますか?
LINDA TOKYOさん
イベントを楽しむことが大前提なんですけども、次に繋げるためにも売上をつくって欲しいんですね。わたしは壁を頼んだことは一度も無いです。大きい物をつくればお金もかかりますし。売上が壁代に飛んだらどうですか?立派なお店を作りたいのはみんなそうだけど、実際にやってみるとすごく難しい。なので立て看板で工夫して対応しています。※minneのハンドメイドマーケットでは、壁の貸出予定はございません。
No-ticcaさん
アクセサリーを作ってらっしゃるということなので、板を二枚買ってきてブック型の展示什器にしたらどうでしょう?平置きだとなかなか見られないので、正面を通った時に商品が見えるように陳列するのが大事かな、と思います。
Bloom brunaさん
お花でもアクセサリーでも、ディスプレイに立体感を出すようにした方がいいですね。リングスタンドをつかったり、写真をパネルで展示したり。キラキラ光るものには光を当てたほうがいいので、電源がいらない電池式のクリップライトを使ってみたり。
LINDA TOKYOさん
100円ショップにも使えるものがたくさんありますし、そういうリサーチ力、工夫がいちばん大事だと思います。
−おっしゃるとおりですね。では次で最後の質問にしたいと思います。
質問者さん
イベント会場にこれだけは持って行くべきというものはありますか?
LINDA TOKYOさん No-ticcaさん
特にないかな?
Bloom brunaさん
あるとしたら笑顔とゆとりでしょうか(笑)
−いい締めをありがとうございます(笑)それではこれでトークイベントを終了したいと思います。長時間ありがとうございました!
最後にみんなでパチリ!